【NewsPicks対談 #4】葬祭×メタバース。当たり前をどう変えていくのか

※本記事は、NewsPicks連載「メタバースって何の略?の”次”を語る会」からの転載です。

脳科学者であり、XRコンソーシアムとブレインテックコンソーシアムの代表理事を務める藤井直敬と、メタバースエバンジェリストの角田拓志による連載対談。第4回目は、冠婚葬祭事業大手のアルファクラブグループ子会社・abs株式会社(読み:エービーエス。以下、abs)のT氏をゲストに迎え、「葬祭×メタバース」について語ります。

冠婚葬祭業界ではメタバースを巡って今まさに何が起こっているのか。3人の対談をお楽しみください。

【NewsPicks対談 #1】なぜメタバースをやるのか?脳科学者に聞いてみた

【NewsPicks対談 #2】「日常的」で「実用的」なメタバースってどんなの?

【NewsPicks対談 #3】人がくるメタバース、一度きりで終わらないために

 

 

葬儀のミニマム化は止まらない

藤井:今回は、ゲストにabs株式会社のTさんをお呼びいたしました。

T:アルファクラブ武蔵野株式会社の子会社・abs株式会社で、10年ほど仕事をしております。アルファクラブグループは互助会・冠婚・葬祭を主とした事業を展開しています。私はグループ横断で使用する葬祭の基幹システム開発や、その外販に携わっております。

藤井:よろしくお願いいたします。早速ですが、事業内容をより詳しくご説明いただけますか?

T:はい、よろしくお願いいたします。

コロナ渦以降、葬儀に人が集まれない事態が起こりました。そこで私たちは、「それでも最後のお別れはしたい」という要望に応えて、葬儀のライブ配信「アルファLIVE」や香典のクレジット決済など、葬儀を軸に時代に合わせたシステム開発をしてきました。

またコロナの影響によって、通夜と告別式に2日かけず、1日で全て終える1日葬、かつ参列者なしで身内の方だけでお別れをする家族葬が増えてきました。その分、葬儀の規模は小さくなるので、売り上げも単純にガクンと減ってしまいました。そこで収益を確保するため、メタバース含め幅広い分野で新規事業を展開しています。例えば、ハコスコさんのメタストアやカフェ事業、学校法人や農園などあらゆる事業を手がけています。

ただ軸としては、葬儀関連の売上が全体の8割を占めていますので、ここをもう少し盛り上げていきたい。10年、15年先の未来の葬儀を考えて、子どもたち世代につないでいくことに重きを置いています。

藤井:ありがとうございます。葬儀の未来はとても興味があるところなので、今日はたくさんお話伺えればと思います。コロナ前後で葬儀の形態が変わってきたとのことですが、ある程度落ち着いてきた今、元の状態に戻っているんでしょうか?

T:そこに関しては、元には戻らないです。

藤井:戻らない?

T:「もう小さな葬儀で十分だろう」という世間の動きは元には戻らないんですね。元に戻そうとしても、「そんな大きい葬儀は要らないよ」というのが世間の正直な声なんです。

藤井:そうなんですか。つまり、いわゆる葬儀の単価が下がっている状況になるわけですよね。

T:はい、その通りです。

藤井:それを補うために、新規事業をいろいろと試みている。加えて多様な新規オプションを検討し、売り上げの増加にも取り組まれている、と。

T:そうですね。現在は墓仕舞いの問題にも取り組んでいます。2023年1月、アルファクラブ武蔵野はテクニカルブレイン株式会社が開発したネット霊園「風の霊」を譲受しました。

 

ネット霊園「風の霊」

 

「風の霊」には、葬儀の延長線上のオプション機能として使える「遺影埋葬」や「お墓参り」といった機能があります。「遺影埋葬」はメタバース空間に遺影写真を納める仕組みです

藤井:納骨堂のような感じですかね。

T:その通りです。テクニカルブレインさんがどこで苦戦したかというと、お客様が「風の霊」で遺影埋葬はするけど、リアルにある骨壷をどうするかとの問題です。「お客様で、近くの寺院などにお持ち込みください」と伝えるしかなかったんですね。この課題を切り離されてしまうと、お客様はちょっと使いづらい。

そこで実は今、埼玉県の蕨市に納骨堂を建てようとしてます。7,000基ほど収骨できる建物です。その現実空間の納骨堂とネット霊園の「風の霊」、さらには遺影が存在するメタバース空間とのシナジーがかなり進むと考えています。故人さんに会いたい場合には、メタバース空間で会えますと説明できますから。遠方のお客様とか、移動が難しいご高齢のお客様でもご利用いただけます。

 

当たり前の概念をつくりかえる

藤井:お客様の声は事前に聞かれたりしているんですか?

T:まだヒアリングはしていないです。

アルファクラブは全国の葬儀社の中でもパイオニアだと自負していて、「うちが引っ張っていく」という意識が強いんですね。まだ流行っていなくても、私たちが先立って取り組むことによって、全国の葬儀社さんが真似をしてくれると思っている。正直、「メタバース」はまだ世界でも伸びていません。でも先に新しいことをどんどんやって「将来、やっててよかったよね」となるように、と考えています。

藤井:業界のリーダーとしての役割だと?

T:そう、役目ですね。私たちがやらないと、多分どこもやらないと思います。じゃあ、うちが引っ張るしかない。昔からそうですね。

藤井:確かに、僕らも仕事でいろいろな葬祭業者さんとお話しても、目の前でちゃんと仕事が回っている時に、なんで新しいことするんだっけみたいな話になっちゃうお客様から求められている状態でもないから、どうなのかなという反応が結構あります。基本的に皆さん、コンサバティブですよね。

 

 

T:コロナが全盛期の頃に「アルファLIVE」というライブ配信を開始しました。葬儀にカメラを設置して、YouTubeでライブ配信をする仕組みなんですが、反発はすごかったです。

藤井:なんで反発するんですか?

T:全国の葬儀社さんからしたら、ライブ配信のせいで参列者が減っちゃうだろうと。規模の小さい葬儀を推進することになっちゃう。

藤井:現状がますます加速しちゃうだろうって話ですね。

T:そうです、そうです。でもコロナ関係なしに、足が悪い方だったり、遠方で最後のお別れができない方向けにも、ライブ配信は必要ですよね。将来的にも取り組んだ方が良いと続けてきましたね。

藤井:なるほど。小さいお葬式が主流になってきて、さらにコロナでその流れが加速してきた。それでも、葬儀の意味と価値は引き続き維持しなきゃいけない。どういう葬儀のあり方があるかを含めて未来をゼロから考えると、ライブ配信など新しい形がありうるよね、と。

T:そうですね。

藤井:社内の議論はどうなんですか? 新しいことをやる会社とはいえ、いろんな人がいると思うのですが。

T:新しい取り組みに対して、本当にうまくいくのかと考える人は社内にもいると思います。でも同時に、今の葬儀の概念を崩していかないと、生き残れないのではと感じている人もいると思いますね。

葬儀には、厳密なしきたりを重んじる側面があります。例えば葬儀の参列には、黒いスーツを着て黒いネクタイを付けるのが主流ですよね。でもうちの社長は「10年後、20年後はカジュアル葬儀でいいんじゃないか」と言っています。これまでの葬儀の概念を変えていこうと考えて、動いていく姿勢です。

 

メタバース”をどうアウトプットするのか

藤井:最近だと、AI技術を使って人格をつくれるようになってきています。亡くなった後も会いに行けるみたいなことも、今後十分ありうると思うんですよね。

T:そうですね。2、3年ぐらい前に紅白歌合戦で、美空ひばりさんのホログラム出演があったじゃないですか。同じことをやろうとしています。演出として、故人さんを葬儀の場で蘇らせたいなと。

藤井:そういえばこの間、アルファクラブの会長がホログラムで蘇っていましたよね。

T:はい。ホログラム葬と呼んで、一般的に広めたいなと思っています。

私たちは葬儀の根幹として、「感動する儀式の提供」をテーマに掲げてるんですね。故人さん、ご家族に寄り添った葬儀をすることで感動してもらって、その後もアルファクラブを使ってもらえるようにと考えています。その「感動する儀式」をもう一段階アップしたいんです。

ただ、課題は声ですね。AIで声を再現しようとすると、つぎはぎの感じになっちゃったり。もちろん事前に録画すればいいのですが、「録画させてください」と言うと「早く死ねということか?」と考えてしまう方もいるんですよね。

まだ技術は追いついていない現状ではありますが、あと2、3年でホログラム葬は当たり前にはなるのではと考えています。

藤井:角田さんはどう思いますか? 面白すぎるよね、これ。

角田:Tさんのお話は、実は技術的にはすでに実現できていることではありますよね。あとはアプリケーションベースで、自分たちにできるサイズ感として手元に存在すれば、もうできちゃう。もし仮に今できないことがあっても、僕も2、3年でできてしまうと思います。

そこで考えるべきは、「技術的には、考えていることはもう全てできます」という状態になった時にどのようにアウトプットするのか、ですよね。

いわゆるナーチャリング、一般化していく過程。これはあらゆるものとメタバースを組み合わせる時に生じてくる

既得権益的な反応は、それ自体が別に悪いわけではないと思うんです。昔、音楽業界はCDが売れなくなるから、出版業界は本が売れなくなるから、Amazonはやめてくれという空気がありました。でももう今は「本屋には本屋の良さが、レコードにはレコードの良さがある」といったすみ分け、あるいはシフトができている。むしろデータ販売やストリーミング販売で、昔より今の方が儲かっている。

そういったシフトが外部要因、テクノロジーの進化でどんどん起こっていく。その範囲が少し広いのが、メタバースかなと思います

 

(左)藤井氏 (右)角田氏

 

葬儀に関しての価値観も、コロナもあって本当にどんどん多様化しているじゃないですか。今後5年、10年ぐらいで死生観の再興が起こりますよね。世界中でメタバース葬儀の事例も出てくるでしょうし、亡くなった方の再現もアウトプットが出ては「これは駄目だ」「いや素晴らしい」と議論が巻き起こるでしょう。今まさにその最中かと思いますね。

T:今まだ正解がない部分なので、とりあえずやりながら改善してつくるを繰り返していくしかないかなと思っています。

角田:どの形で出しても絶対に議論になりますからね(笑)でもその積み重ねですよね。

 

バーチャル空間の”軽さ”は人の思いで超えられる

藤井:メタバース葬がこれから少しずつ始まった時に気になるのが、宗教の違いをどう扱うのか。箱としての無宗教はあってもいいと思いますが、葬儀の場所としての宗教性を持たせる必要があると思っていて。何か考えられてることありますか?

T:私個人としては、メタバースの概念では宗教は不要だと考えています。もちろんあったらあったでいいと思いますけど、そもそも全く違う概念だと思うので。

藤井:お坊さんがいた方が安心かなとも思うんですけど。

T:例えばメタバース上に好きなお坊さんを呼べるオプションを加えて、お経は課金制にしてお坊さんにはリベートを払うなどしても面白いと思います。

角田:いいですね。チベットやインドのお坊さんを呼んでもいいし、すごい山奥で修行しているお坊さんをつなげてもいいし。

T:良いのか悪いのか別として、お坊さんを呼ぶにしても人気のあるお坊さんを選ぶとか。

藤井:ランキングがあるんだね!

T:そういうのも、メタバースならではのやり方なのかなと思っています。

角田:うん、確かに。どうしてもWebも含め、現実世界の重みとバーチャル世界の軽さ、そういった先入観が僕らの年代だと全然あると思います。

一方で、子どもは現実とバーチャル空間に重さや軽さといった差異を感じない彼らは現実世界で墓の前に行って掃除して故人を思い出すのと同じぐらいの感情を持って、バーチャルの世界でもお墓参りができると思うんですよ。

 

 

僕は今『ゼルダの伝説』をプレイしているんですが、例えば小学生くらいの子どもは『ゼルダ伝説』の中におばあちゃんやおじいちゃんのお墓があったとしたら、抵抗なくその辺からリンゴとか切り取ってきてお供え物にして、おじいちゃんを少し思い出してから冒険すると思うんですよね。おそらく。

僕らやZ世代あたりもまだそこの重い軽いの先入観があると思うので、そこをだんだん均(なら)していく。そうすると葬儀がバーチャル世界にあっても、ちゃんと故人個人に思いを寄せられる儀式になる。

藤井:先日、友人のある方が亡くなって、その方の思い出のスペースをメタストアで作ったんですね。そうすると、ただ写真やお花を飾っているだけのスカスカの空間になるかと思ったら、実はそうはならなくて。何度そのスペースに行っても「ああ、ここにいるんだ」って僕は思っちゃうんですよ。

人の思いが空間の意味をつくるんだなと感じたから、角田さんが話した『ゼルダの伝説』にあるおじいちゃんのお墓は本物のお墓と変わらないんだと思います。

角田:そこに納骨されてるかどうかっていうよりは、やはり精神的な……。

藤井:そうそう、気持ちがそこにあって。僕にとって、その方を偲ぶ場所はメタストアの他にはない。本物のお墓は僕のものではないから、みんなが簡単に集まれる場所としてすごくいいと、実際にやってみて思いました。

角田:例えば『どうぶつの森』などにそれっぽいものを置いて少し思い出すとか、あったりしそうですよね。お盆の帰省の頻度を変える必要はなくて、帰省までの間、月1あるいは週2ぐらいで、『どうぶつの森』の中で故人を思い出す行為はあってもいいと思うんですよね。

藤井:実際は月命日でお墓参りはできないけど、でもそれが『どうぶつの森』だったら「あ、今日は21日だからおばあちゃん!」みたいな感じで行けるかもしれないですね。

角田:そうですよね、すごく文化的な行動でもある。

 

文化的な価値を担保するデジタルが普及する?

藤井:リアル空間ではないところで人を思う方向に進むとすると、お寺はどうなると思いますか?

T:どうなんでしょう。例えばお賽銭はキャッシュレスになりつつありますよね。

角田:僕も前に愛宕の神社に行った時にお賽銭をEdyで決済できました。

T:横須賀市の浄楽寺にはNFT御朱印がありますね。

角田:なるほど。お祈り、お賽銭や御朱印などの文化的な行動のデジタル化は、価値自体を再構築できていれば、精神的にベネフィットを受けることは十分可能ですね。

こういうデジタル化は、実際に試してみないとその価値は分からないじゃないですか。実は、僕も自分でNFT買うまで「何が楽しいの?」と思っていました。でも買ってみると「なるほど。これはもう僕のものだから」みたいな心のホクホク感を感じて。確かに保有する感覚があった。多くの人が試す中で「これはこれで良いかもな」と感じる人も出てくると思います。

NFTに限らず物理的なモノも含めて、自分の精神にどう影響を与えるかそれに価値が伴えばさらにわかりやすい。

T:まだ実現はできてないですが、先ほど話した「風の霊」でお墓にNFTが活用できるのではと考えています。例えば、メタバース霊園の中に5,000個の墓があれば、その墓にかかる土地自体をNFT化してしまう。そうすると「風の霊」というプラットフォームができる。お客様間での土地販売も含めたコミュニティも構築されて、一味違ったことができると思ったりしています。

角田:すごいですね、それ。とりあえず自分のお墓をメタバース上で買って、その周りの土地も全部買って「私の隣のお墓に入りたい人募集」みたいな。

藤井:お墓のNFTを子々孫々、相続したり。

角田:相続されていくのも面白いですね。

 

葬祭×メタバースの可能性は無限に

藤井:物理的なお墓が完全にデジタルなものになってしまうのは、すごい宇宙感があるね。

T:それこそがメタバースだと思っています。

藤井:宇宙といえば、「風の霊」には、火星とか月とか書いてありますよね

 

ネット霊園「風の霊」

 

T:はい、地球から月に向かって月で会うイメージですね。「遺影埋葬」が月で行われている世界観です。

藤井:月で会うのか。月を見上げると、あそこにいるって思うのかな。

角田:現実世界で月にロケットで打ち上げる葬儀もありますよね。

T:宇宙葬ですね。私たちも取り扱っています。

角田:であれば、そこはリンクしそうな気がしますね。

藤井:宇宙葬は、遺骨や遺灰を月に打ち込むんですか?

T:1年に1回、発射されるアメリカのロケットに遺骨を載せるんですよ。イメージは海洋散骨です。海洋散骨は骨を船に乗せて海に撒く。宇宙葬はその宇宙バージョンだと思ってもらえると良いです。

藤井:月に届けるというよりは、宇宙散骨みたいな感じですね。興味本位で聞くんですが、それはいくらぐらいするんですか?

T:1人50万円です。ただロケットを発射するのに莫大な費用がかかるので、集まらなかったら翌年に持ち越されます。

藤井:面白い(笑)でも50万だったら、自分が宇宙に行くよりはるかに安い。他に最近の新しい葬儀トレンドはありますか?

 

(左)藤井氏 (右)角田氏

 

T:いろんなことをやっていますね。例えば、新しい骨壷のデザインを考えたりしています。

藤井:何ですか、それ。想像がつかないぞ。

T:私たちからすると従来の骨壷は正直、ダサすぎるんです。

角田:その感覚は無かった(笑)こういうものだと思い込んでましたね。ダサいとか、かっこいいとかあるんだ。

T:じゃあabsならどうするかと。実はイタリアのデザイナーと組んで、見たことない新しい形の骨壷をデザインしてます。今はまだローンチされていないのでお見せできないんですが。

藤井:見たいな〜(笑)

角田:確かに、ヴィトンの骨壷とかあったら……グッチとか(笑)

T:うちの会長が去年亡くなったんですが、棺をヴィトンにしようとの話が出てたんですね。でも、時間がなくて実現できなかったんです。

藤井:間に合えばやってたんだ(笑)もちろん、焼くんですよね?

T:はい、焼きます。

角田:棺をヴィトンにして焼いちゃって、ヴィトンの骨壷に納める。セレブ感がちょっと普通じゃない(笑)

T:いろんな人が来るから見栄を張りたい方もいらっしゃいます。

先日、ある大きな寺の住職さんがお亡くなりになりました。葬儀の参列者は800人ぐらいで、見積もりは1,500万円ぐらい。その住職さんは生前に、「一番高い棺をちょうだい」と打ち合わせをしていて、300万だったそうです。

角田:死してなおすごいですね。大事なことなのかもしれない。

藤井:棺もデジタルになっていくと「この棺はNFTで1個しか存在しないです」とか言うのかな。

角田:価値を認めるというのはそういうことですよね。

T:デジタル棺は燃えませんから、家宝として残せる可能性もありますよね。NFTだから昔の人が一括払いで買って、代々子どもに引き継いでいく。付加価値がついてきたら子どもの代で売ってしまう。寂しいですけどね。

角田:誰が買うんですかね(笑)

藤井:葬祭業者さんが買って「この棺は、すごい由緒正しいものです」と売ればいいですよね。

角田:あ〜なるほど、面白い。「誰々さんが入ってた棺だよ」ということですね。

T:もし許可が出るんだったら、例えば「芸能人と一緒のお墓に入れますよ」でもいい。メタバースだからできることです。

藤井:その棺のNFT契約で本人の子孫にお金が入るようにしてもいいのか。

角田:お金が入るスマートコントラクトにしておいて「僕と一緒に入りたい人には売るよ」とするんですね。購入されると遺族や子孫にお金が入るのは面白い。

T:結局、マネタイズの部分だと思うんですよ。こういうこともできるんじゃないか?と、いろいろ考えているんですよね。

藤井:Tさんにお会いして「この人たち、なんでこんなに自由なんだ」って本当にびっくりしているんです。僕が知っている葬祭業者さんは何か新しいことを言っても、全然聞いてくれないんですが……なんでなんだろう。

T:パイオニアだからです。もう本当にそれだけです。他の葬儀社にはおそらく無理だと思います。

藤井:ということは、新しい葬儀や冠婚葬祭を考えている皆さんはアルファクラブに相談に行けばいいと。

T:もちろんです。

藤井:なんかいい締めになってきたぞ。本当に不思議な人たちですね。

T:すいません(笑)

藤井:いや、良い意味です。僕らも実験的な新しいことにしか興味がない。それを話しても普通に「ですよね」と返してくれるのが本当にびっくりです。やっぱり、業界のリーダーは違うわ。Tさん、本日は本当にありがとうございました!

T:こちらこそ、ありがとうございました!

角田:ありがとうございました!

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